ウィークリーレポート 2014年11月24日
メイヤー・インターナショナル(タイ)のリチャード・ケインは、今週は世界の株式市場にとって、特に欧州市場にとって強い週となったと述べています。経済状況の回復を示す指標が発表されたことにより、欧州市場は3%上昇しました。米国株、英国株も同様に1・5%上昇した一方で、アジア株は動きなしでした。これらの動きの主な要因は、原油価格です。アジアでの原油需要の下落が、アジア株の上昇を妨げたものとみられます。原油価格は、1バレル80ドルとなっており、ここ数か月で30%下落しました。今週ウィーンでOPEC会合が開かれましたが、原油需要の失速に対する見通しを払拭することはできなかったようです。
リチャード・ケインは、経済を動かす原油に代わる要因について検討することが重要だと考えています。リチャード・ケインは、米国のガソリン価格の下落も経済に大きな影響を及ぼすと考えています。
リチャード・ケインは、中国の人民元切り下げは、市場によい影響を与えると考えています。中国の人民元は、株式市場、パフォーマンス、中央銀行などにとって重要な影響を与えます。
欧州では、欧州中央銀行のドラギ総裁の施策が注目されます。欧州中央銀行は、来年早々にも、担保を増額する見込みです。
リチャード・ケインは、豪ドルが高い水準にことにも注目しています。一層の豪ドル安が必要となる可能性が高いと述べるなど、RBAは、相場を豪ドル安に向かわせるための発言を強化しています。RBAによる豪ドル押し下げへ向けた更なる取り組みや発言が今後も予想されますが、RBA は、豪ドル高を懸念していることから、豪ドル相場への口先介入が失敗すれば、更なる利下げに踏み切る可能性があります。
世界経済は、今後も緩和的な金利政策が継続するとリチャード・ケインは予想しています。QE縮小の影響は、過激派の強いフォワードガイダンスで相殺される可能性が高いでしょう。これと世界経済の成長回復の見通しが相俟って、株式市場にとって極めて好ましい環境が形成されると見込まれます。
米国の経済指標は概ね良好な結果となりました。非農業部門雇用者数は市場予想を大きく上回り、10 月のISM 非製造業景況指数も上昇、その他の先行指標も引き続き上昇となったほか、7–9 月期のGDP 成長率は予想を上回る高い伸びを示し、FBR が発表した融資担当者四半期調査では銀行貸出基準の更なる緩和傾向が示されました。一方、住宅ローン申請指数は引き続き低迷しました。
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日本アジアウェルスマネジメント
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リチャード・メイヤー・ケイン
カナダ・モントリオール州ケベック生まれ。
ロンドンに上場するアジア・ウェルス・グループの代表取締役。東京で、メイヤーグループの代表を15年務めた後、現在アキコ夫人と二児とともにバンコク在住。
リチャード・ケインは、アジアにおける資産マネジメントについて、19年以上の実績を持つ。日本人に対しても、国際税務、資産管理に関するコンサルティングを行う。