ハイリスク・ハイリターンのヘッジファンド
ミューチュアルファンドと違い、ヘッジファンドでは、ファンドマネージャーが大きな役割を担っています。メイヤー・インターナショナル(タイ)のリチャード・ケインが、ヘッジファンドについてアドバイスいたします。
ヘッジファンドは、アメリカで誕生した投資信託の一種です。ただし、公募の投資信託と違い、個人で投資金を集めることができるため、ファンドマネージャーは自由に投 資できることを武器に、大胆な運用を行っています。その手法は先物・オプションなど金融派生商品(デリバティヴ)を駆使したり、為替投機や商品投機をする のに加え、資産を担保に資金を借り入れて、高い運用結果を追求するのが特徴です。
ヘッジファンドは、ハイリスク・ハイリターンといわれることも多いですが、必ずしも全てがそうではありません。ヘッジファンドをポートフォリオに組み入れることによってリスクを下げることが可能となります。
ミューチュアルファンドは、投資家から集めた資金を1つにまとめ、ファンドマネージャーが債券や株式などで運用するものです。多くの投資家から集められた資金を元手に運用し、保有比率に応じて分配金を支払い、自由に換金することができます。
ヘッジ・ファンドとミューチュアル・ファンドの区別
メイヤー・インターナショナルのリチャード・ケインは、この二つをきちんと理解した上で、ポートフォリオを組み替えることが重要だと考えています。ミューチュアルファンドは、相対的なパフォーマンスにより評価されますが、へッジファンドは絶対的なリターンが 期待され、どのような状況のもとでも、利益を追求しようとするのです。
次に、ミューチュアルファンドは厳しく規制されるもので、空売りやデリバティブ取引が制限されます。へッジファンドは、そのため制限はありません。へッジファンドマネージャーに対しては、非公式の制限があるといわれています。それは、経験豊かで有能であるということです。ヘッジファンドは特殊な投資であり、経験豊かなファンドマネージャーを必要とする、特別な業界と時にはダイナミックな手法で運用されます。
ミューチュアルファンドは、一般的に運用される資産のパーセントにより、ファンドマネージャーに報酬を与えます。へッジファンドは、運用パフォーマンスによりファンドマネージャーの報酬が決まり、さらに固定報酬以外にボーナスもあります。ファンドマネージャーのやる気も変わってきます。投資の絶対的なリターンを獲得するには、普通の相対的なリターンの場合よりも高度なテクニックと知識と才能が求められています。実績主義の報酬のシステムは、有能な投資マネージャーをへッジファンドの分野へ引き付ける要因といえるでしょう。
ミューチュアルファンドのパフォーマンスの見込みは、株式市場の動向に基づくものです。へッジファンド戦略のパフォーマンスは、株式市場の動向に基づくものではありません。ミューチュアルファンドは、例えば海面のさざ波に影響を受ける小船であるとするなら、ヘッジファンドは、水面下でほとんど直線に爆走する潜水艦のようで、波の影響を受けることがありません。
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日本アジアウェルスマネジメント
代表取締役 リチャード・ケイン
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リチャード・メイヤー・ケイン
カナダ・モントリオール州ケベック生まれ。
ロンドンに上場するアジア・ウェルス・グループの代表取締役。東京で、メイヤーグループの代表を15年務めた後、現在アキコ夫人と二児とともにバンコク在住。
リチャード・ケインは、アジアにおける資産マネジメントについて、19年以上の実績を持つ。日本人に対しても、国際税務、資産管理に関するコンサルティングを行う。