ウィークリーレポート 2014年12月16日

メイヤー・インターナショナル(タイ)のリチャード・ケインは、株投資家にとって先週がいかに寂しい1週間だったかについてコメントを寄せています。世界経済は、減速の兆しを見せています。中国の経済指標の低下、世界の石油の需要が下がったことによる価格下落、中国の負債の増加、欧州経済の政治問題。今週は、米国とその他の国々のファンドフローの違いが顕著に表れた週といえるでしょう。リチャード・ケインによると、米国の外貨ファンドは、25万ドル集めたのに対し、欧州のそれは、16万ドルにとどまりました。

欧州の株式投資家にとっては、ギリシア株の影響で、非常に厳しい週となりました。左翼連合が大統領選に勝利する可能性があったためです。ギリシアの株式市場は18.6%も下落し、債券の売りが強まりました。欧州の株式市場は、世界の経済の失速の影響も大きく受けています。

リチャード・ケインは、米国の株式市場は土台がしっかりしていますが、世界の経済の失速の影響を受けないわけではないと考えています。S&P500の指標は、技術、エネルギー株の下落の影響を受け、5週連続で下落しています。ボラティリティは2013年6月から20ポイントも上がりました。エネルギーへの懸念の影響で、売りが一気に強まりました。11月末のOPECの会合以降、エネルギー株の動きが激しくなっています。

原油価格は常に、世界経済の中心的な役割を果たしています。原油価格の下落は、世界経済の減速と、今後の成長の可能性を表しているかのようです。

リチャード・ケインは続けます。私たちは、一部の国(中国など)のエネルギー消費の縮小を見つつも、今後も消費が続くことを期待しているのです。それは、債券市場がエネルギーに大きく依存しているからです。

今週のもうひとつの大きな出来事は、日本の安倍総理が再任されたことです。リチャード・ケインは、アベノミクスを受けて日本株は上昇すると見込んでいます。今週は、ギリシアの大統領選挙が控えています。どの政党が政権を取るかで事態は大きく変わってきます。ギリシアの政治が欧州に与える影響、ユーロはどうなるのか?注目する必要があるでしょう。リチャード・ケインは、欧州には過激派は存在するにしても、往々にして過激派が政権を握ることは少ないと考えています。

欧州中央銀行(ECB)は長期的な財政計画を打ち立てようとしています。リチャード・ケインは、欧州中央銀行の政策によって、投資家は戦略を練ることができると考えています。

 

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日本アジアウェルスマネジメント

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リチャード・メイヤー・ケイン

カナダ・モントリオール州ケベック生まれ。

ロンドンに上場するアジア・ウェルス・グループの代表取締役。東京で、メイヤーグループの代表を15年務めた後、現在アキコ夫人と二児とともにバンコク在住。

リチャード・ケインは、アジアにおける資産マネジメントについて、19年以上の実績を持つ。日本人に対しても、国際税務、資産管理に関するコンサルティングを行う。